【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2024年2月11日説教要旨
聖書箇所 コリントの信徒への手紙Ⅰ12章1~11節
キリストの教会に招かれて
踊 一郎
■私にとって、教会がかけがえのない大切な存在になったのは、いつだったでしょうか。それは大学受験に失敗し、親元を離れて京都の予備校で学んだ時でした。父親が牧師であること、自宅が教会であることが嫌で仕方がなかった中高生時代。それなのに一変して毎週の日曜が待ち遠しく、カレンダーの日曜日に大きな赤丸をつけるようになったのです。ある雨の日曜日、その日はストライキのため電車もバスも止まっていました。しかしどうしても礼拝に行きたくて、傘をさし線路を歩いて教会へ。着いた時には礼拝はすでに終わっていました。ずぶぬれで教会堂の前に立っていた私を見つけたY牧師は、タオルで服を拭いて温かい飲み物をくださり、私の学びのためにお祈りしてくださいました。来た道をまた歩きながら、「今日ここに来て良かった。この一週間も頑張れる・・・」と心底思いました。
■教会を建てることは主イエスの御心です。「あなたはメシア、生ける神の子」と告白したペトロに対して主イエスはこう言われました。「わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」(マタイ16:18)。また主は「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11:28)と言われました。教会という聖所で多くの人が慰めと平安、喜びと希望を頂くことができるのです。
■「教会」はヘブライ語でカーハール、ギリシャ語ではエクレシア、その意味は「集会」、つまり「主イエスの名によって集まる群れ」です。教会には様々な賜物を持つ人々がいます。一人ひとりを主が招かれたのです。それは互いに信頼し、愛し、助け合って主イエス・キリストの働きを担い、その栄光を現わすためです。「賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。一人一人に“霊”の働きが現れるのは、全体の益となるためです」(Ⅰコリント12:4~7)。
■パイプオルガンには木製パイプ、メタルパイプがあります。オルガンの大きさにとってパイプの数は異なります。それぞれのパイプは独自の音色を持っています。全てのパイプが同じ音を出すなら、決して美しい音楽を奏でることはできないでしょう。キリストが招いてくださった教会はまるで美しい音楽をこの世に向かって奏でるパイプオルガンのようです。