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2023年8月6日説教要旨
聖書箇所 創世記11章1節~9節
バベルの塔
梅木 光男
78年前の今日は広島に最初の原爆が投下され、多くの人が苦しみの中で死に至った日です。その後も後遺症に悩まされ原爆の悲惨さは日本ばかりか世界の人々にも影響を及ぼす出来事となりました。神は天地創造にあたって人間に多くの祝福与え、全ての創造物と共生して平和な社会を建設することを求められました。しかし人間は傲慢と驕り、サタンの誘惑によって神から離れ罪を犯すこととなりました。
今日の聖書箇所は誰もが知っている「バベルの塔」建設を巡る物語です。
神さまの圧倒的な権威と支配に反抗し自分の知識や経験、科学的進歩への過信によって、人間が本来持っている高貴な従順さが失われ、愚かさと醜さ、無節操に満ちた行動に走る姿を聖書は厳しく指摘しています。
当時バビロニア地方は岩や石がなく赤茶けた土によって日干しレンガを作っていました。これはとても脆いもので、これを改良するためにレンガをかまどに入れ高温で焼くと固いレンガが作れるようになり、またこの地方で石油が産出することから地表で固まったアスファルトを利用して高層建築が可能となったのです。そして人々は次第に驕り高ぶって「頂きが天に届く搭を建て、名をあげよう。」また「散らされるといけない」との不安を払拭するため壮大な?搭を建設することに着手しました。
これに対して神様はわざわざ近づいて呼びかけられます。まさにアダムとイブ、カインの時と同じように。神様は人間の愚かな行為に直接介入され実行されるのです。この理由として考えられることは①人間が神様の命令に不服従であること②神と等しくなろうとする傲慢の罪です。その結果同じ言葉で語っていた人々は多様な言語を語るようになり意思疎通が困難となって混乱状態に陥り、とうとうバビロンの地から離散して世界中に人々は拡散することになったのです。
この「バベル(混乱)」はまさに人間の欲望の象徴であり「ノアの信仰」とは全く対極にあったのです。