【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2023年11月5日説教要旨
聖書箇所 エフェソ信徒への手紙4章1~6節
主は一人 信仰は一つ バプテスマは一つ
原田 寛
パウロやペトロが活躍した時代のエフェソは、小アジアの港町でしたが、ローマ帝国の拡大発展の中で、アジア州の首都となります。首都ローマと当方の国々とを結ぶ要衝となって発展します。人口は25万人くらいいたといわれています。もちろん、ユダヤ人もその町に存在していました。
第二回の伝道旅行の中でパウロは、その町でおよそ3年間とどまって活動します(使徒19章)。エフェソには、アルテミスの神殿があり、紀元前1100年ころからつづいたギリシャの影響が色濃く出ています。エフェソの文化的な歩みは、アルテミスを中心としたものだったでしょう。
エフェソの信徒たちは、パウロの宣教に触れて、真の神の存在を示され、神より遣わされたイエス・キリストのこと、異邦人に解放された福音に教えられて、それぞれの古い歩みから救われます。その喜びは大きなものだったでしょう。
しかし、時間だ経ち、パウロもエフェソから離れてしまい、未信者の世界と接する信徒たちは、逆風に苛まれていたと考えられます。それは、尋常なものではなかったのではないかと思います。それでも長老たちを中心に、しっかりした歩みを続けていこうとしていたと思います。
エフェソの信徒への手紙は。そのような教会に送られたものです。1~3章は、キリストにおいて表された神の計画、4~6章は、教会はキリストのからだであることと信徒は新しく造られた者としての歩みについて記されています。
4章は、時間と共に多様な内容を取り込んでしまう良い人たちに、キリスト教会にとって再重要な「主はひとり、信仰は一つ、バプテスマは一つ」との言葉が記されています。教会に入り込んだ異端を含む多様な信仰や宗教・文化に対して、明確にイエス・キリストを中心にした信仰の内容を表しているのです。
このことは、現代に通じています。「古き人を脱ぎ捨てた」私たちも、この世の歩みに翻弄されるところがあるのですから、御言葉をいただいて新たにされ、救いの希望の中で歩んでいきましょう。『主はひとり、信仰はひとつ、バプテスマはひとつ』なのですから。