【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年10月17日説教要旨
聖書箇所 マタイ福音書13章47節~51節
天国への網
梅木 光男
この世に命を与えられたわたしたちは必ず肉体的な死を経験します。人生はしばしば「旅」に例えられます。それは始めがあり終わりがあるからです。その旅の目的や行先など我々の自由な選択に任されており、何を人生の「羅針盤」として生きるかが問われています。
本日の聖書箇所で主イエスが旅をしながら弟子たちに色々な例えを通して天国について教育されている場面です。有名な内容でかつユダヤ人にとっても生活実感する題材を取り上げられています。
主イエスは天国について①一粒のからし種 ②パン種 ③毒麦のたとえ ④畑に隠してある宝 ⑤真珠の話 そして最後に⑥地引網の魚の話という展開で、最後の審判後における天国に対する啓示です。すべてのたとえが当時のユダヤ人や弟子たちにとっても身近で親しみやすいものですが、今日は最後の地引網の魚について言及したいと思います。
地引網の中には当然色や形、種類、大きさなど色々な魚が選別されずに入っており、良い物も悪い物もなく差別もないすべて混沌とした状態なのです。そして網の中にいる魚たちは今の今まで自由勝手に泳ぎ回っていたのが、自分が捕らえられて急に岸に引き上げられる事も知らないのです。
漁師は引き上げた網を開いて良い物と悪い物とに選り分けるのです。そこでは何が良くて何が悪いのか混沌とした現実の世界で最後の最後で神様が白黒をつけるいわゆる「最後の審判」が行われるのです。天国は我々が努力してつかみ取る目標でも獲得して得るものでもありません。むしろ天国の方から我々のところに急にやってきて一網打尽に岸に引き上げられ選別されるのです。神様への信仰告白により信頼と希望、平安、喜び、そして天国へのパスポートが与えられるのです。