大晦日は牧師さんの膝の上でボクシング世界タイトルマッチをテレビ観戦しながら11時30分まで付き合った。普段は10時には床に就く牧師さんが、こんなに遅くまで起きているのは珍しく、しかも格闘技が好きな牧師さんて可笑しくない? そんなことで一夜が明け、元気溌剌新年を迎えました。今年もどうぞよろしくお願い致します。
僕の記事をホームページに編集・掲載してくれている医師の林晃一先生が、僕の最近の写真を見て「少し太り過ぎ」ではないかと牧師さんに注意を与えてくれたそうだ。僕のことを心配してくれている人が他にもいることを知ると、僕はほんとうに幸せ者だと思う。それで牧師さんは僕の体重を量ってくれた。4㎏ジャストだった。生後半年足らずでこの重さは矢張りオーバー気味かもしれない。牧師さんは責任を感じてか、このところ僕の食事を少な目にコントロールしてくれている。
それにしても僕らはラッキーだったと思う。僕ら三兄弟の最初の飼い主さんが、事情があって僕らをキリスト教会に置き去りにしたことは正解だったな。教会は当然ながら慈悲深い人が多いから、子猫と言えども僕らの命のことを考えて丁寧に扱ってくれたのだ。牧師さんは、僕らをうおずみ動物病院に何度も連れて行ってくれて健康体にしてくれる一方で、あちこちに声をかけて僕らの行き先を探してくれたのだ。今では牧師さん夫妻の会話から、二人(二匹?)の弟が家族の一員になって行った先々で、夫々が幸せな生活をしていることが分かる。僕はと言えば、幸せすぎるくらい幸せだ。何てたって牧師さん夫妻が時々口ずさむ賛美歌を聴いたり、聖書朗読を聴いたりしながら一日を過ごしているのだから。賛美がもっと上手だったらと思わないわけでもないが、それは欲というものだ。
そうだ、僕が今までにどんなものを食べさせてもらったかの続編を知らせる約束をしてたっけ。その前に食事前のやりとりを紹介しよう。牧師さんが、僕のお腹が空いているかどうか尋ねる「食べる?」という言葉ははっきり理解できるようになったよ。だから、食べたい時は「ニャー」と答えるようにしている。次に牧師さんが、「缶詰にする? カリカリにする?」と聞いてきた時には、僕は缶詰が入れてある冷蔵庫の前まで急いで行って意思表示するのだ。
さて、数日前に“卵かけご飯”を初めて食べさせてもらったんだけど、これは美味かったよ。その時、わかめ入りの味噌汁も初物だったが、何とも言えない日本の香りがして嬉しい味だった。牧師さんは間食に時々、ヨーグルトにジャムを入れて食べているので、これもおこぼれ頂戴するけどマイルドな味でこれもイケるよ。何種類かのチーズも味わったけど、どれも僕の舌に合ったな。じわっと口に広がる後味が良いよ。スボンジケーキ、バターケーキ、シュークリーム、パンケーキ、ゼリー、ビスケット、味噌、ちくわ、カマボコ、うどん、佃煮、チリメン、煎餅、ひじきの煮つけ等々を口にしたよ。納豆は妙な味だったけど食べ慣れると病みつきになるかもしれない。元日には初めて重箱入りの“お節料理”を目にして、凄く美しく感動した。日本の料理は目でも食べるというのが実感として分かったよ。そうそう今日は有名な“梅ヶ枝餅”も戴きました。僕は日本生れでつくづく良かったと思う。それでは次回またお目にかかるね。皆さまも正月のご馳走食べて励んでくださいね。