【説教音声ファイル】
2021年7月11日説教要旨
自分を励ませ
竹田 浩
(兵士は皆、息子、娘の事で悩みダビデを石で撃ち殺そうと言い出したので、ダビデは苦しんだ。だが、ダビデはその神、主によって自分を力つけた)
(サムエル上30:6)
ダビデは戦いに出て、自分の街に帰ってみたら、住んでいた町は焼け落ち妻や息子、娘たちは連れ去られていました。その為、ダビデの部下は指導者であるダビデを石で撃ち殺そうと言い出しました。味方からさえも殺されそうになったダビデは苦しみましたが、その時に主によって自分を励まし、力つけて戦いに立ち上がったと言うのです。私達の信仰人生は戦いの連続です。そして、その戦いに勝利しなければ霊的に惨めな敗北を喫してしまいます。その為に大事な事は「自分で自分を励ます」ことの必要性を良く知っておく必要があります。詩編42編に「敵はおまえの神はどこにいるのかと言う時に、昼も夜も私の糧は涙ばかりであった」と言ってます。しかし、その中で詩編の記者は自分の魂に向かって、「何故うなだれるのか、私の魂よ、なぜ呻くのか、」と告白し、「神を待ち望め、私はなお告白しよう。御顔こそ私の救いだ」と告白しています。この詩編を読んで見ると敵が厳しい現実の中で、「おまえの神は何処にいるのか」と、嘲る時にその中で自分自身に対して、「神を待ち望め」と励ましているのです。
私達の信仰生活において自分自身に対して信仰をもって「神を待ち望め、御顔こそ私の救いだ」と語り掛ける事が何と大事な事でしょう。
パスカルはパンセの中で「人間はおまえはばかだと言われると、そう思い込み、また俺はばかだと自分に度々言い聞かせると、そう思い込む様に出来ている。まぜなら、人間は一人で自分と内的な対話をするからである。そこで、それを良く調節する事が大切である(536章)」と教えています。確かに私達は自分の言葉に注意しなければなりません。自分で自分を励ます事ができなければ倒れてしまいます。信仰の勇者、カレブは他の者達が約束の地を前にして、不信仰を口にした時に「断然上っていくべきです。そこを占領しましょう。必ず勝てます」と言って信仰を告白しました。そして、告白した通り40年後85歳になって約束の地を獲得したと言うのです。韓国の有名な牧師、趙ヨンギ先生は自分の発する言葉をコントロール出来なければ、信仰の戦いに勝利する事は出来ないと断言しておられます。私達はちょっとした一言にそんな影響力があるわけではないと考えがちです。しかし実際そうではありません。唇から出る一言が人を生かしたり殺したりするのです。ですから、今日、神は「出来ない」と言う人を用いる事は出来ません。いまから十数年前、隣地を獲得する為の信仰の戦いの中で、一人の友人の牧師がやってきました。そして、残念な事にその先生は、自分にはとてもこんな土地をとる事は出来ないと言われました。その時、わたしは、この先生にはその土地は取れないと思いました。ローマ書10;10に「実に人は心で信じて義とされ、口で告白して救われるのです」と記されています。救われる為には、ただ信じるだけではなく、口で告白する事が需要なことです。ですから、ヤコブは舌を制する事が、どんなに重要な事かと教えています。「船をごらんなさい。あのように大きくて強風に吹き荒れている船を、舵取りはごく小さな舵で意のままに船を操ります。同じように、舌は小さな器官ですが、大言壮語するのです」(ヤコブの手紙3:4)
それですから、舌を聖書の言葉によって何時もコントロールして頂き、この口で自分自身に対して、信仰と希望と愛の言葉を語り続けるべきです。なぜなら、イザヤ55:11で以下の様に言っているからです。「その様に、私の口から出るわたしの言葉も空しくは私のもとには戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を必ず果たす」と記されているからです。自分自身に対して信仰の言葉を語り掛ける事によって、私達はみ言葉にはげまされて、信仰に立ち、希望に満たされ、喜んで前進する事が出来るのです。趙ヨンギ先生の本の中に「自分は年を取ったからもう何も出来ない」などと決して言ってはならないと話して居られましが、真にその通りです。私達はどんな状況に置かれようとも、常に信仰と希望と愛の言葉を口にして、自分を励ましながら信仰生活に勝利すべきです。ダビデは部下からも殺されそうになって人生の一大危機を迎えた時にそので失望して座り込んでしまわないで、自分で自分を励ましながら主の御言葉に聞き従って戦いに出掛けて行きました。そして、大勝利を博したと記されています。人生の分岐点となるような困難な中で、信仰によって自分を励ますことが出来るかどうかは、大きな分かれ目となります。イエス様は今日もあなたと共におられます。恐れるな、と励まして下さっています。信仰の言葉をもって自分を励ましつつ、前進しようではありませんか。