2015.11.29説教要旨 題:「収穫の主に祈る」 聖書:マタイ9:35~38牧師 岩橋 隆二
今日は世界祈祷日のことを覚えての礼拝です。世界祈祷週間は、11月の最後の日曜日から12月最初の日曜日までの一週間と決められています。バプテストの世界中の各教会では、この期間、特に女性会からの呼びかけで、世界宣教のために祈りがなされ、献金が捧げられます。私たちの教会の野ゆり会で行ってきたバザーの収益も世界祈祷献金として、世界宣教のために用いられます。
さて、世界祈祷週間のことを覚える時、先ず思い浮かぶのはロティームーンのことだと思います。約140年前、福音宣教のために中国大陸に渡ったのがアメリカ人女性宣教師ロティームーンでした。彼女の人生は、「一粒の麦が地に落ちて死に、豊かな実りをもたらす」ように、今に至るまで、覚えられ、影響を与え続け、神の国の収穫をもたらし続けています。このようなアメリカからアジアに向けての宣教活動の流れの中で、1889年、アメリカ南部バプテスト連盟から初めて、二人の宣教師が来日しています。1916年、宣教師C.Kドージャーが、西南学院を設立しています。そして、1947年、私たちの日本バプテスト連盟が結成され、そこから世界へ向けて宣教師を送り出すようになったのです。
私たち「バプテスト」という仲間の歴史の中に、ロティームーンがいたということはとても誇りに思えることです。しかし、彼女が特別に強い女性だったからというわけではありません。おそらく、彼女も私たちと何の変わることのない弱さを抱えた一人の人でありながら、その弱さや、限界の中で、なお「神の愛」に押し出されるようにして、中国の貧しい人々と共に生き抜いた人だったのではないかと思うのです。彼女は、一人で頑張り抜いた人生ではなく、どうか共に働く働き人を送って欲しいと、本国の教会に手紙を書き、助けを求めて、現地の人のために生きた人だったのです。今日、私たちは、約140年前に中国に渡ったロティームーンの祈りと願いを受け継いで、主に向かって、どうか働き人を送ってくださいと、祈るために集められているのです。
ここにいる私たちも、誰かが、私たちに福音を語ってくれたから、そして、神に愛されていることを知ったから、今、ここにこうして心平安の下にいることが出来るのではないでしょうか。
私は、2,3週間前、伊豆の天城山荘での連盟総会に出席してまいりました。今年も全国から約三百名の代議員が出席しました。そして、三日間毎日、礼拝で始まり礼拝で終わります。つまり、祈りで始まり祈りで終わるのです。バプテスト誌の「今日の祈り」にある一つの教会のために出席者全員で祈ります。私たちの教会も一年に一度位の間隔で、全国の多くの教会員から熱い祈りが捧げられているのです。
私たちの連盟では、これまでに引き続いて新年度も三千数百万円の予算をもって、カンボジアに、インドネシアに、その他の国々に宣教師を派遣することが決まっています。今も現地に遣わされている宣教師家族たちが、現地に生きる人々と同じように喜びを、苦しみを共にしています。遣わされていった宣教師たちの心の中に、主イエス様の「深い憐み」の心がながれているのを覚えます。現地に派遣されている宣教師家族のことを覚え、祈りと献金を捧げてまいりたいと願います。