【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2024年12月8日説教要旨
聖書箇所 ルカによる福音書1章26~38節
おめでとう恵まれた方
原田 寛
先週、ヨハネの誕生の事柄から考えさせていただきました。今週はマリアです。
マリアは、ヨセフと婚約中でした。当時のユダヤでは女性は12歳くらいから婚約ができたそうです。マリアもそのひとりであったと考えられます。そのマリアの人生に影響する大きなことが起こるのです。それが、イエス・キリストの母親となることでした。マリアは、イエスの誕生後、幼子イエスと共に神殿に詣でたとき、老人のシメオンが「この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするために定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。あなた自身も剣で心を刺し貫かれます。多くの人の心にある思いがあらわにされるためです」と言われ、その通りになる人生を送るのです。
このような厳しいことを予言されるマリアに対して、ガブリエルは、「おめでとう、恵まれた方、主があなたと共におられる」といい、処女懐胎といわれる事柄が告げられます。後にも先にもない、前代未聞のことが自身の身に起こるのです。そして、いいなずけのヨセフはどうなるか。自身の親や家族は受け入れてくれるか。周りの人たちは・・・?と。心配が心をよぎったことでしょう。しかし、天使が語ったことをマリアは信じました。「わたしは主のはしためです。お言葉通り、この身になりますように」と応答するのです。
神の御言葉を受け止めたマリアの道は、開かれます。夫となるヨセフは、マリアを受け入れました。親戚エリザベトとも会うことができ、お互いを受け入れ合うことができました。信頼し共に歩む人たちがいることがわかりました。神の言葉は必ずなると信じた人は、すばらしい。マリア賛歌は応答の言葉。イエスも母マリアの歩みを評価すると考えられる言葉として、「わたしの母、わたしの兄弟とは、神の言葉を聞いて行う人たちのことである」(ルカ8章19節以下)と語っています。
私たちも神の言葉を聞いてきた。「おめでとう、恵まれた方」この言葉は、神の言葉を信じた人たちに今も語られている。