【説教音声ファイル】
2025年7月27日説教要旨
聖書箇所 聖書箇所:箴言4章20~27節
わたしのことばに耳を傾けよ
原田 寛
○ 「箴言、コヘレトの言葉、雅歌」は、ソロモンのものとされ、旧約聖書の「知恵文学」と称されています。
○ ソロモンは、イスラエルの王・父ダビデから王位を継ぎ、在位紀元前970~931年活躍をしました。王位を継いだ際、神から与えられた知恵を用いて、王国を拡充することができました。また、エルサレムに神殿を建立し、神を中心にした政治に務めたと考えられますが、列王記をはじめ、その歴史書においては、民への過重な税を課して苦しめ、後の国の分裂を引き起こす原因を残します。また、他国との交易を平和裏に進めていったことはよかったと思われますが、その際に政略結婚をし、異教の宗教を持ち込むことを容認してしまいました。そして、それが、イスラエル民族に影響し的外れな道へと進ませてしまうのでした。
しかし、ソロモンの知恵については、多くの国々の関心を寄せ、イスラエルに対して平和と繁栄を与えたのは確かなことでした。ダビデの子ソロモンの箴言は、イスラエルの平和に寄与し、豊かな歩みを得ていこうとする民から受け入れられて、聖典として伝えられたのでしょう。
○ 「わが子よ」と語りかけるのは、「父」です。
「わが子よ」と語りかけられています。ソロモンの王位を継いだのは、レハベアムでした。レハベアムは、ソロモンの意思を継ぐことができたのでしょうか。列王記を読んでみましょう。聖書は、ソロモンの知恵の言葉に学ぶことを奨めます。その意味で、一般的な「わが子よ」という呼びかけになっています。わたしたちが、それぞれ読む時に、「わが子よ」という呼びかけに自分の名を入れてみてはと思います。
私たちは、救い主イエス・キリストによって、天地創造の唯一の神を「天の父なる神様(アッバ父よ)」と祈るようになりました。つまり、感謝なことに、父と子の関係が神と私たちとの間に成立しているのです。そして、父が子に語るように、神が私たちひとりひとりに語っているということです。
○わたしの語る言葉に耳を傾けよ
御言葉を得ることは、命を得るためであり、健やかに過ごすためにです。
御言葉に対してこころを開くのは、よこしまな談話を遠ざけることであり、悪から離れることです。
たとえば、暑い夏は、敗戦時のことを思い起こし、再び、戦争をしないということを考える大切な時です。私たちは、「平和を創り出すものは幸いである」の主の言葉に沿いながら、祈りと共に平和につながることを貴ぶものです。今日、分断を呼び込むような言葉や考え方が顕わになってきてはいないでしょうか。そういう中、私たちは、弱くされ小さくされている人たちのために、尽くしている人たちを大切にしたい。また、平和のために尽くしている人たちを支え祈りたい。