【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2025年5月18日説教要旨
聖書箇所 コロサイの信徒への手紙2章6~19節
キリストに結ばれた生活
原田 寛
「パワースポット」という言葉があります。これは造語です。
「パワースポット」というのは、超自然的なエネルギーが満ち溢れているとされる場所全般を指して言われる言葉です。その場を訪れた人がエネルギーを感じるという主観性をもって呼ばれることが多く、そのような体験者の言葉が口コミなどで伝わり、のちに「パワースポット」と言われるようになりました。パワースポットは、宗教的な事柄と結びついている場合が多いと思います。日本でいる一番強いパワースポットは、富士山だと言われており、「霊峰富士」と言うのはその信仰心から生まれた言葉と考えられています。
1992年に水戸教会が水戸市五軒町から元吉田というところに移転して、地元の企業によってヴォ―リス社の設計で新しい会堂が建てられました。建てた企業の監督さんが、献堂して10年後に教会にきて、「ここが落ち着くんだ」と心境を語って下さいました。彼にとっては、水戸教会が「パワースポット」の一つということです。
わたしたちは、イエス・キリストがこの世のパワースポットと比べられるような方ではないと知っています。パウロは、その重要さをコロサイの人たちに伝えています。それは、教会に集っている人たちに対して、惑わす力が猛威を振るっていたからです。その惑わす力というのは、「人間の言い伝えに過ぎない哲学、むなしいだましごと」(2章8節)であったり「偽りの謙遜や天使礼拝」を行う人たちで、その人たちは、「幻で見たことを頼りとし、肉の思いによって根拠もなく思い上がっている」人たち(2章18節)です。大切なことは、死んで復活された頭なるイエス・キリストです。
パウロは、「あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい」と命じます。イエス・キリストを信じる者たちは、バプテスマ(洗礼)により、キリストと共に死に、そしてキリストを復活させた神の力によってキリストと共に生きる者となりました。死と新生がキリストによって繋がっているのです。イエス・キリストはわたしたちの救いです。
教会は、この救い主イエス・キリストを頭として結び合わされて、神によって育てられ成長するのです。