【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2023年2月12日説教要旨
聖書箇所 ダニエル書6章10節~16節
ダニエルの信仰
梅木 光男
2月11日は建国記念日でキリスト教会では「信教の自由を守る日」として各種イベントが実施され、特に憲法との関係で国家と個人の関係性が問われている。本日の聖書箇所はダニエルの信仰について取り上げます。ダニエルはバビロン捕囚によって異教の地に連行され改名や他の人々の妬みなどに翻弄されながらも3代の王に仕え信仰に忠実に生きた人物です。
彼は知性に富み人格的にも円満で、最高位の大臣になっても傲慢にならずまた神からの霊によって日々の恵みの中に生きていました。
他の高官たちはダニエルの出世を妬み仕事上の過失を咎めて失脚させようと虎視眈々と狙うものの彼に何ら落ち度はなかったと聖書は記しています。しかし彼らはダニエルがいつもイスラエルの神を礼拝し律法を守って生活していることを利用して、30日間礼拝行為をダレイオス王だけに向けさせる法律を提案したのです。これは王への忠誠心を装いつつ王の顕示欲を満たす一方で、ダニエルを確実に失脚させることができると読んだ狡猾な策略でした。
ダニエルはこうした一連の動きをはっきりと知っていたが、彼の胸中には一切触れずにただ「彼はいつもと変わりなく帰宅し、自分の神の前に祈って感謝を捧げた」と聖書は記しています。
高官の思惑通り法の執行がなされダニエルは獅子の穴に投げ込まれ、しかも穴は石で封印されたという念の入れようであった。ここに至って王は事態の深刻さを悟り、策を講じてもなすすべもなく、ただ徹夜で断食をし神の助けを求めるのが精一杯であった。誰もがダニエルの絶命を疑わなかったが、神はみ使いによって獅子の口を塞ぎダニエルを助けたが、陥れた高官やその家族は王の逆鱗に触れ獅子の穴に投げ入れられて命を落とす結果となった。
どんな試練や困難にあっても神様は神を信頼する者を必ず守ってくださるという揺るぎない信仰・信頼こそ今の私たちのも求められているのではないか。目先の事柄に囚われることなく喜びと希望のなかで過ごしたい。