【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2020年11月1日説教要旨
聖書箇所 ミカ書6章1節~8節
主に喜ばれる捧げもの
梅木 光男
預言者ミカはイザヤとほぼ同じ時代に活躍した預言者で、貧しい農民の出身で当時の堕落した社会の不正義を咎め、自己の利益を貪る祭司や支配者階級の人々を厳しく糾弾しています。このミカ書の構成としては4つの部分に分かれ、①悔い改めの要求と審判について②終末的預言について③神と民との論争について④祈りと救いの讃美についてとなっています。
この6章は神が自然界を証人に立てて、イスラエルの民の歩みを過去から現在までの出来事をあらわにして、神が断罪し告発することでその正義を示すという形をとっています。
いわば「裁判」形式で創造主である神が検事兼裁判官として、イスラエルの民を被告席に据えて彼らを弾劾しつつも、親が子を諭すように語られています。
旧約聖書の最大の恵みはエジプトからの脱出と救いの業にあります。モーセとアロンという指導者に導かれ約束の地カナンに至るまでの荒野の旅から多くの神の救いの御業を思い起こせとミカはその主な出来事を列挙して具体的に示しています。
これに対してイスラエルの民は神の非難と𠮟責に、自己中心的で自己の思いや行動を正当化するばかりで、謙虚な思いで神の御言葉を聞くのではなくむしろこれ以上何をすればいいのかと反論しています。彼らは人間的な努力や熱意或いは極端な宗教行為を重視していたのです。
神は本日の最後の8節で真の霊的な態度として①公義を行え②誠実を愛せよ③へりくだってあなたの神と歩めという3つを示し、神を愛し従いかつ他人にも正しく接し愛することの大切さを繰り返し述べています。
このことが現代に生きる我々にも同じことが求められているのではないでしょうか。