【聖書箇所朗読】
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2026年4月12日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書26章6~13節
主のためにしたこと
原田 寛
女性が高価な香油をイエスに注ぐ話は、4福音書に記されている貴重な事柄である。
イエスは、自ら「葬りの備え」と弟子たちに示した。ご自身の受難への備えとして受け止めたということである。
ナルドはサンスクリット語の「ナラダ」(香しい)という言葉に由来し、ヒマラヤに自生するオミナエシ科の植物である。高さは70cmほどになり、葉は大きく花は密集した小穂状である。このナルドの根茎から香料が採取される。そして、アラバスター(雪花石膏)に詰められ輸出された。賓客を迎えるホストは、賓客を迎える時にこの香油を頭から注ぐ習慣があったそうだ。また、香油は、死者を葬る際にも用いられた。また、香油を注がれるということは、聖書において、イエスは「油注がれた者」(メシア・救い主)という意味を含み、これは福音書が最も伝えたい信仰告白である。
ナルドの香油をもっていたのは、イエスを迎えていたシモンではなく、イエスのベタニヤ訪問を知り、シモンの家に入り、時を共にした女性だった。女性は、食事の時にイエスに近づき石膏の瓶を壊して頭から注いだ。弟子たちは、これを見て、憤慨した。
マタイ福音書は、女性を批判したのが弟子たちとしているが、他の福音書は、「そこにいた人たち」(マルコ)「ファリサイ派の人たち」(ルカ)「イスカリオテのユダ」(ヨハネ)となっている。受難の時に、不特定な人たちと解するのは不自然だと思われる。
マタイ福音書は、共に主に仕えてきた弟子たちが、女性の行為を批判している。しかし、主イエスは、これは「メシアとしての葬りへの備え」であり、人を罪から贖う使命をイエス自身が受け入れていることをあらわしている。
筑紫野南教会の新年度の主題は、「十字架わが力、わが救い」である。この女性が、主が向き合われた十字架の事柄に、持参した高価なナルドの香油を注ぐことを通して奉仕し、自分の十字架を背負って、主に仕えたのである。そして、主がメシアであることを告白し続けているのである。
この告白は、主が述べられた通り、世界中で伝えられている。
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