【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2020年10月25日説教要旨
聖書箇所 ルカ福音書6章46節~49節
地面を深く掘り下げて
梅木 光男
今から15年前2005年10月23日に我々の教会の献堂式が挙行されました。会堂建築にあたって基礎部分に当時の教会員や部外説教者などの関係者及び主イエスの名を冠した石を置いて、その揺るぎないことを祈念したことを思い出されます。
本日の箇所はいわゆる「平地の説教」と呼ばれる最後の部分です。マタイの福音書の「山上の垂訓」と多くの共通点があり、特に冒頭の祝福の辞から始まりこの家を建てるたとえで終わっているのが顕著です。
6章全体は神を父とする信仰が前提となっており「祝福」と「呪い」という二つの要素を諸刃の剣として我々に突き付けています。6章の結論として、この家と土台のたとえがあります。家を建てることは、人生設計そのものであり、主の恵みという土台の上に深く掘り下げて基礎とし、それに据えることが求められています。しかし、「主よ主よ」と叫びながら心の内では神を信頼せず、何ら行動も起こさないという現実の姿に、主イエスが我々に警鐘を鳴らしています。主イエスは、律法主義に陥ったパリサイ人や評論家的に第三者としての態度をとる民衆から差別され、無視されている人々に「愛と慈しみ」を注ぎ、心の中に神の御言葉が刻み込まれるように「地を掘り岩に至るまで」受け止めて欲しいと熱望されています。それは、自分自身の殻を破って偏見や傲慢に陥ることなく、今自分が立っている領域で辛抱強く、かつ地道に実行することによって、岩なるキリストにつながる揺るぎない土台が確立され、主イエスの教えを実行すること、それは主イエスに従うこと、キリストと共にあることを実感し、平安と喜びに満ち溢れることでしょう。