【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2024年11月24日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書28章16~20節
垣根を越えて
原田 寛
世界祈祷週間を共に覚えることができ、感謝いたします。
マタイ福音書が記されたのは、AD70年ころとされています。キリスト教に対する迫害により厳しい時代であったと思います。パレスチナでは、66年頃から第一次ユダヤ戦争が勃発し、ユダヤ人がエルサレムを占拠してしまいます。ローマ帝国は対抗して70年に後に皇帝になるティトスがエルサレムを占領します。ユダヤ人は、マサダの要害に逃れ徹底抗戦するのですが、敗北します。ローマ帝国はユダヤ人をエルサレムから追放し、ユダヤ教の拠点は、地中海沿岸の町ヤムニア(ヤブネ)に移されます。
マタイ福音書が記されたころは、ユダヤ人にはたいへんなときであったと考えられます。マタイは、その中でアラム語でパレスチナにいる人たちに福音書を記したのではないかと考える人がいます。
マタイは、「すべての民に」福音を伝えよと告げます。それは、民族の「垣根を越えて」伝えなさいということでしょう。民の言葉でつまり現地の言語で伝えるという働きです。
イエスのご命令を受けて、使徒たちや多くのキリスト者によって、ローマ帝国に限らず、福音は東はペルシャからインド、西はローマからイスパニア(スペイン)、南はエチオピア。世界に拡がりつつありました。世界への拡がりということを聖書翻訳という面で言うと、2020年8月に旧新両訳聖書が700言語を越えたとのこと。ちなみに新約聖書のみでいうと1550言語だそうです。
キリスト教に出会ってきた人々は、御言葉により、主イエス・キリストの死と復活の事柄に触れ、罪の中から新しい命に復活する約束を知るものとなります。そして、真の神を信じる者となり、神との約束によって生きる者となっていったのです。
わたしたちは、大宣教命令に従い、世界宣教の業に、世界祈祷週間によって関わります。それは、それぞれの働きを知り、知ったことについて祈り、その必要に応えて献げるようにします。