【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年2月21日説教要旨
聖書箇所 使徒行伝1章12~15節
心を合わせて、ひたすら祈り、120名からのスタート
九州バプテスト神学校事務局
前坂 昌広
新型コロナウィルスの感染拡大、福岡県も特別措置法に基づく緊急事態が宣言され、感染拡大を防止するための行政による対策が打ち出されました。教会活動も、諸集会等に影響がでており、不安と不自由さを感じる毎日です。感染拡大の早期収束を祈りたいものです。
さて、使徒行伝1章15節をみると「120名ばかりの人々が、一団となって集まっていた」とあります。この120名という数字ですが、ルカ10章、Ⅰコリント15章をみるとかなりの弟子たちがいたのではないかと思われるのです。しかし、今、エルサレムで最初の教会を構成するメンバーは、120名ばかりであることを、使徒行伝は伝えているのです。この120名ばかりの人々に、主イエスは全世界に出て行って、み言葉を伝えるように命じられたのです。キリストの教会は、120名ばかりという小さな源から始まったのです。この120名ばかりの小さな集団が、やがて天下を揺るがすような力が与えられ、全世界へと福音が広められていったのです。
連盟の資料によりますと、筑紫野南キリスト教会の歴史は、2001年4月に筑紫野二日市教会から株分けにより、10名で伝道所が開始され、2013年5月に教会組織され、2013年11月に連盟加盟を果されたことが掲載されております。伝道開始の2001年から今日までの20年間の歩みは、本当に大変なご苦労をされた歩みではなかったかと思っております。本日の聖書箇所の120名と同じ体験の歩みをされたのではないかと思います。
ところで、当時の弟子たちの状況は、主イエスが十字架上で処刑されたため、弟子たちは激しい失望と不安に襲われていたのです。ところが、その失望し落胆していた弟子たちが、生まれ変わったように生き生きとした信仰を取り戻し、主イエスのためには、自分の命を投げ出しても、悔いがないと思うほどの決意を促された驚くべき出来事が起こったのです。それは、「わたしたちの主は、今もなお生きて働いておられる」という確信を抱くに至る「よみがえりの主イエス」と会いまみえることが出来たからです。よみがえりの主は、罪、闇、死の力を打ち破って勝利され、今もなお生きて働いておられることをはっきりと弟子たちに確信されたのです。よみがえりの主は、弟子たちと共に食事をし、交わりの時を持ち、それを通してご自身を示されたのです。
この物語には、私たちの希望が隠されているように思うのです。私たちの人生は、苦難から逃れる途上ではなく、神と共に歩む道の途上にあるのです。主イエスは生きておられ先に立って歩いておられるのです。そして、このことは教会も途上にあるということなのです。
使徒行伝では、忍耐強い祈り、特に共同の祈りが強調されております。一致した祈りが「聖霊降臨」の出来事を起こし、教会成立の源となったのです。
私たちも120名の一員として、主イエスの証人としての歩みが始められるように、共に祈りたいものです。