【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年2月14日説教要旨
聖書箇所 ルカによる福音書5:1-11
悔い改めからの一歩
カトリック古賀教会
内田 理加子
今日の箇所は、美しいゲネサレト湖畔で、イエス様の言葉を聞こうと集まった人々にイエス様が説教され、その後、シモンに「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と語られたところです。
シモンはシモン・ペトロのことです。漁師でした。彼は夜通し働きましたが、魚が思うようにとれませんでした。たぶん何日もとれない日が続いていたことでしょう。身体的にも精神的にも疲れ切っているシモンに、イエス様はもう一度チャレンジしてみることを言われます。時刻はすでに魚がとれる時ではありません。シモンは「何度も頑張って駄目だったのに、とれるわけがない。イエス様がいくらそう言っても、とれるわけがない」と思ったことでしょう。それは、シモンが言った「しかし」に読み取ることができます。「お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と、イエス様の言葉に従います。すると、おびただしい魚がとれて、仲間の舟に助けてもらわねばならないほどでした。シモンは、「主よ、私から離れてください」と言います。疲れていたにもかかわらず、自分がイエス様のかけてくださった言葉をどれだけ疑ったか、読み取ることができます。続けて「私は罪深いものです」と告白します。そこに居合わせ行動を共にしたアンデレ、ヤコブ、ヨハネも同じ思いだったかもしれません。神様にとって人間の「罪の告白」ほど、美しいものはないのではないでしょうか。創造主である神がお造りになった数々の自然の美しさのように。
イエス様の次の言葉はこうでした、「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる」。自分の罪深さのゆえに、自己嫌悪に陥ることもありません。また罪深さのゆえに、消極的になることもイエス様は望んでおられません。次の漁のために、彼らは網を洗いました。網を繕いました。大変な作業ですが、次の漁のために忠実に準備を整えていました。イエス様の言葉にすぐに応じるために。私たちは今、何をなすべきでしょうか。