【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2023年11月12日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書8章5~13節
感謝せずにはいられない
踊 一郎
■「棚卸」とは「決算などの際、商品・製品・原材料などの在庫を調査して数量を確かめること」です。現在はコンピューターで管理するのでしょうか。時には私たちの心の棚卸も必要ではないでしょうか。すると最も早く失われるものは感謝の念ではないかと気付かされます。古代ギリシャの哲学者は「感謝の念はあっと言う間に老衰する」、ある文学者は「感謝の念より忘れられやすいものが、ほかにあるだろうか」と言いました。
■河野進牧師の詩集『万華鏡』に「もらう」という詩があります。
最初 もらった時深々と頭を下げた
その次は 笑顔で感謝した
その次は 言葉だけであった
その次は 黙って受け取った
その次は 当然なように受け取った
その次は 不満そうに受け取った
もう もらえないと分かった 大声で罵った
馬鹿にするな おれの権利まで奪うなんて
■藤木正三牧師は『神の風景』という本で次のように書いておられます。「必ず誰かに助けられていますのに、不思議なことですが、この助けてくれている人がよく見えないのが、私たちです。自分が助けている人は見えても、助けてくれている人が見えない、人間の成長が一番遅れているのは、この点です。助けてくれている人が見える、つまり感謝の心です。すべてのことに感謝ができれば、他に何を欠こうとも、人間としては成長を極めていると言ってよいでしょう」。
■使徒パウロはテサロニケ教会の信徒に対し心を込めて書き送りました。
いつも喜んでいなさい。
絶えず祈りなさい。
どんなことにも感謝しなさい。
これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。
Ⅰテサロニケ5:16~18
■豊かな実りの美しい季節、今週の歩みを続けながら神が与えてくださった恵みの数々に心からの感謝を捧げたいと思います。