いよいよ来週から蝋燭が灯ります。アドベントが始まります。私たちは、クリスマス、イースターと聞くと胸がわくわくしてまいります。一方で、目を覆いたくなるようなニュースが連日報道されています。資産を奪う目的で次々に結婚し、6人もの高齢者の男性の命を奪ったという疑いで逮捕された女性、食事を与えずに3歳の我が子の命を奪った両親、多くが自分の欲得のために他人の生きる権利を奪うという事件です。これからお話しますことは、奪い合う、傷つけ合うことのない世界です。「奪い合う、傷つけ合うことがない」という言葉がキーワードになります。
今日の聖書の箇所の最初のところ、イザヤ書65章17節に「見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する」と書かれています。神様が行動を起こされると新しいことが起こります。聖書にはそのようなことがたくさん記されています。創世記1章1節には「はじめに神は天と地とを創造された」と記されています。神様は、天地を無から創造されたのです。出エジプトの出来事もそうです。イスラエルの民は400年もの間、エジプトの奴隷として苦しみの中にありました。そこに神様が介入され、イスラエルの民はエジプトから解放されました。バビロン捕囚の身であったイスラエルの民が解放された出来事もそうです。イスラエルの民はバビロンから解放され、エルサレムへの帰還と神殿の再建を許されたのです。そのようなイスラエルの歴史の中において、新しい出来事が起きました。決定的な新しいことが起きました。時満ちて、神様が御子イエス・キリストをこの地上に遣わされたのです。キリストの十字架において、私たちの罪の贖いが成し遂げられ、キリストの復活によって私たちは死から解放されたのです。また、キリストの復活後50日目に、集まっていた弟子たちに聖霊が降り、教会が生まれました。そこに新しいことが起こりました。かつてイエス様を捨てて逃げ去ったあの弟子たちが、出て行って大胆にキリストを宣べ伝える者となりました。
このようにして教会の宣教の歴史が始まりました。その後の教会の歴史は、神様が新しいことをなさり続けた歴史と言えます。教会が宣べ伝える福音を通して神様が一人ひとりの人生に入ってこられる時、その人生に新しいことが起こります。人は新しく生まれ変わります。神の子供とされ、神を天の父と呼んで人生を歩き始めます。私たちは、神の新しい御業を聖書の中に見るだけでなく、私たちの人生にも見ることが出来ます。私たちの未来は、またこの世界の未来は、単に過去から現在への延長線上にあるのではなく、いつでも神の御業に開かれています。未来は神が、その新しい御業によって創り出されるのです。
2014.11.23説教要旨 岩橋隆二牧師