2017年12月3日
洗礼者ヨハネの誕生
梅木 光男
今回はルカ福音書1章57~66節から、洗礼者ヨハネが神様の救いの業の先触れとして天使のお告げにより誕生するという箇所をとりあげました。彼は、祭司ザカリアとその妻エリサベツに永年の祈りのすえに与えられた子供でした。数奇な人生を送る宿命を担ったヨハネの誕生秘話を聖書は余すところなく語っています。この物語に続いて、主イエスの母マリア、その夫ヨセフ、そして、羊飼いをはじめとする多くの登場人物が織りなす救い主イエスの誕生物語は、我々を神様が思い描く世界へと導いて下さいます。今年もクリスマスをもうすぐ迎えようとしています。世の中は救い主イエスの誕生の意味よりも、クリスマス商戦としての意味のほうが大きいと思われるぐらいに華やかに騒がしくクリスマスソングが流れています。本来のキリストの灯す明かりはろうそくのように闇を照らす一隅の光です。私たちもこの会堂で今日から毎週ろうそくの灯を一本ずつ灯していきますが、最初は「希望」ついで「平和」そして「喜び」さいごに「愛」がともったところで真ん中のイエス様のろうそく「犠牲的献身の意味」が灯されるのです。ヨハネはイエス様と不思議な縁で結ばれています。ヨハネは特別な存在として神様から与えられ、かつ預言者として運命づけられて育てられましたが、イエス様はその誕生のきっかけこそ不思議な出来事ですが成人するまではまさに「ごく普通の人」として歴史の陰に隠れて両親や家族とともに暮らすこととなります。
ザカリア夫妻は自分の子供ヨハネの「先駆者」としての役割を自覚しており、後からこられる主イエスにより神の救いが始まり成就されることを確信していました。
クリスマスは待つことの喜びを味わう時期です。ある有名な神学者は「待つことを知る者は幸いだ」と述べています。
神のみ業がはっきりは見えてこないことにイライラし不満を撒き散らす我々に、聖書はクリスマスを通して希望と忍耐と信仰へと導いてくれます。そして最終的には主イエスの再臨のときを迎えるまで我々を励まし慰め祝福してくれるのです。