【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2022年2月27日説教要旨
聖書箇所 ダニエル書1章1節~21節
異教の地にある信仰
梅木 光男
2月は建国記念日と天皇誕生日の2つの祝日があります。国家と憲法及び信教の自由という問題について考察する必要があります。本日の聖書の御言葉は異教の地にあっても真の神に従う信仰を貫き通すダニエルの生き方を通して、我々の現在置かれた状況下で神のみ旨を選び取ってキリスト者としての在り方が問われている箇所です。
バビロン王ネフカザネルはエレサレム攻略により、神殿破壊と多くの有意な人々を首都バビロンに捕囚として連行しました。その中にまだ少年だったダニエルたちがいました。彼らは何ら身体的欠陥もなく外見上麗しく、知性豊かで知識もあり、また血統的にも由緒正しい家系で思慮深い資質を持った少年たちを宮廷で仕えさせるため、3年間の教育期間でダニエルたちが選ばれたのです。
彼らはこの教育に先立ってバビロン風の新しい名前が付けられました。例えばダニエル(神は審判者)からベテルシャツアル(彼の名には神が宿っている)というように。これはイスラエル民からすれば屈辱的措置です。つまり、これはバビロンが支配している証拠であり、権威の象徴ともいえる出来事です。ここにイスラエルの神に従うか異教の神に従うのかという信仰の戦いが暗示されています。
ダニエルたちは王から支給された食糧が異教の神に捧げられたもので汚れたものであり偶像崇拝に関与すると考え拒絶して、代わりに野菜と水だけを10日間支給してほしいと給仕長に願い出るのです。報告を受けて宦官の長は不安とためらいがあったものの許可し、この提案は神の業によって成功をおさめ、他の少年たちよりも顔色も良く健康そのものであったのです。神様はご自身に忠実な者を祝福し、特にダニエルに幻と夢を解く賜物が与えられイスラエルの民の解放への大きな役割をなすきっかけとなったのです。