【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2024年5月12日説教要旨
聖書箇所 ヨハネ福音書5章1~18節
諦めないで
原田 寛
イエスと出会ったのは、ベトサダの池の近くで38年間病のために横たわっていた男でした。ベトサダの池は、エルサレム神殿の北側にあってきた野池と南の池がありました。神殿の巡礼者の沐浴のために設けられたもので、周囲に五つの美しい柱廊に囲まれていました。一つは男性用、一つは女性用ということでした。池の水が動いた時に真っ先に入るものはどんな病でも癒されたのでした。池の傍には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが大勢横たわっていたということです。
男は、38年もの間、一番になれませんでした。どんな生活をしていたのでしょうか。なぜ、ここにいたのでしょうか。5章14節でイエスと再会した折、「あなたは良くなった。もう、罪を犯してはならない。さもないと、もっと悪いことが起こるかもしれない」と言われています。病と罪の関係があって、彼は苦しんでいたことが解ります。彼の人生を奪った病は、彼の犯した罪に原因がありました。
イエスは、病のために人生を失い苦しみ悩んできたこの男の歩みを変えました。失っていたものを回復することも、新たに得ることもできるのです。そして、今まで絶望の中にあったでしょうが、希望を得て歩み始めることができました。
聖書の「罪」は、的外れという意味だと言われます。その的というのは、真の神の御心の外すということを物語っています。罪の中にあった男を贖った主イエスは、男に「もっと悪いこと・・」と示しました。どんなことでしょう。福音書は、主イエスの十字架への道を記していきますが、その中に表されているのが、「終末」です。「罪」の中にあるものが、「終末」を迎えたとき、どのようになるのでしょうか。
真の神を信じ、主イエスと共に歩むことが「救い」の完成に繋がっていくのです。