【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年7月25日説教要旨
聖書箇所 ヤコブの手紙1章12節~18節
試練を乗り越える
梅木 光男
この手紙は主の兄弟ヤコブがエルサレムで国外に散ったユダヤ人の基督教徒にあてて書かれたいわゆる「公同書簡」と言われています。キリスト者が様々な試練にあっているのを励ますと共に、欲望に満ちた世俗的な生活を送っている人々を戒めるために書かれた、いわばキリスト教の箴言集のような書簡です。従って神学的な要素はほとんど見られずキリスト者の実践的行動規範が示され、当時のパウロの信仰義認論を曲解して貧しい人々を顧みない富裕層や指導者たちへの警告メッセージに特徴があります。
本日の箇所では3つのキーワードがあります。
1.試練について
これはキリスト者の品性を完全へと導く道具であり、信仰を試す手段として用いられ、これを全うすることによって「いのちの冠」が与えられるのです。アブラハムやヨブの信仰を試されたように神は我々に試練を送られるが、どんな時でも祈りの答えとして逃れるため方法と神の知恵が与えられるのです。
2.誘惑について
ヤコブは誘惑の原因をそれぞれの自分の欲に惹かれておびき寄せられるからだと述べています。ちょうど魚が釣り針にかかるように。貪欲な願望はそれ自体罪深いもので、誘惑に負けた者の結果はいつも悲劇的です。
3.贈物について
神は最高の贈り物として我々に「新生」をお与えになっています。イエスキリストにある「救いの福音」は、聖霊によって、我々の罪が赦され新しい永遠の命へ至る道を示し、受け入れる者には平安と喜び、そして希望を持って生きる力が与えられるのです。
我々は目の前の出来事に一喜一憂することなく、常に神様を信じ自分自身の十字架を見つめつつこれからの人生を歩んでいきたいと思います。