聖書 列王記上 17:1~16
今日の箇所はエリヤが預言者として表舞台に登場してくるところです。内容的には深刻ですが奇跡を織り込みながら、どこかユーモラスで神の意外な訓練と備え、そして皮肉を交えた物語でもあります。
イスラエル王国はアハブ王の下で悪と罪に満ち、かつバアル信仰による偶像礼拝に陥っていたため、神はエリヤを王のもとに遣わし数年間の旱魃がおこるという警告を告げました。そして、アハブ王からの脅威を避けさせる為、エリヤを最初はケリテ川のほとりで烏に食べ物を運ばせ養い、次はサラバテのやもめの女の所に行く様に命じられました。このユダヤ人ではないやもめの女は、「飢え」と「死」を目前にして、今まさに最後の粉を使った食事を子供と食べた後、死のうとしていました。しかし、最後の食事であるパン一切れをエリヤの要求に従って差し出すことにより、かめの粉とびんの油は食べても尽きることはなく、「神の時」が来るまでエリヤとやもめの家族は飢えることはありませんでした。
この奇跡は、我々がいかなる困難な状況にあっても主に依り頼み、信頼と希望を持って祈るならば、たとえ異邦人であっても神の祝福に与ることを示しています。しかしそれはただ神の時と領域においてのみで、しかも我々の想定外の手段によってであります。さあ、神の御心を聞き喜びと平安を持って与えられた人生を精一杯生きていきましょう!
2014.10.12 梅木光男 説教要旨