【説教音声ファイル】
2018年6月24日説教要旨
聖書箇所 マタイ福音書12章38節~45節
「ヨナのしるし」
梅木 光男
本日の箇所には「時代」という言葉が何度も登場しています。主イエスの時代とはどんな時代であったか問う必要があります。当時はローマ帝国の支配下にあって、ユダヤの人々は政治的経済的また宗教的にも困窮していた時でもありました。そこには邪悪で不正、不義がまかり通っており人々はメシアを待望していました。この様な時主イエスの多くの奇跡や言動の噂を聞きつけひょっとしたらメシアかもしれないと思い、人々が質問する場面から始まっています。主イエスはこの答えとして旧約聖書のヨナのしるしを示させました。まさに彼らの期待を裏切る答えです。当時のメシア像はかってのダビデのように栄光と権力を持って地上に臨みローマ帝国を駆逐してかつての栄光を取り戻すことにあったのです。しかし主イエスはこの世の中の人々のメシア像とは全く異なる「ヨナのしるし」を示されたのです。それは将来の主イエスご自身の十字架と復活を予兆されるヨナそのものの姿だったのです。我々は神に「しるし」を求めます。そしてしばしばそのしるしがないことに失望します。まさに自己中心であり、自分の思いのままに神を利用しようとする傲慢さ不信仰があります。主イエスはこうした不信仰と傲慢さが特にパリサイ人に向けて悪魔が入り込む恐れがあると警告されています。今の時代にあって、私たちも主イエスの信仰に立ち返り平安と喜びをもって主イエスと共に与えられた人生を歩んでいきましょう!