【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2019年7月14日説教要旨
聖書箇所 ルカによる福音書18章9節~14節
パリサイ人と取税人
梅木 光男
本日の聖書の箇所で主イエスはパリサイ人と取税人の対照的な祈りの姿をたとえとして取り上げています。ご存知のようにパリサイ人はユダヤ人の指導階級に属しており、宗教を大切に思っていた人々、すなわち生活の中で律法を厳格に守って人々から一定の信頼を得ていました。従って自分を義人として自認し、それ故に他人を裁いて、罪びとと称する人々とのまじわりを拒絶していました。律法を守って実行していることはある意味誇るべきものであるかもしれませんが、ともすれば形式的なものにとらわれ本来の目的から逸脱する偽善に陥る傾向があったのです。
一方取税人はローマ帝国の手先となってしばしば規定以上の税金を徴収し、差額を私腹化しており当然ユダヤの人々からは排除され罪人の対象としてまじわりを絶たれていました。
この二人が神殿で礼拝している姿を見て主イエスが語られたのです。パリサイ人は自分の義について誇らしく神に語ったのに対し、取税人は罪びとであることを十分に自覚し、祈りというよりも叫びに近い形で神の憐れみを求めているだけです。ここにあらわされているのは、地上で主イエスが求めておられた信仰が、この取税人の「うめき」のような祈りの中にあったのです。
神様が私たちに求めておられることはただ一つです。それは「主よ、私を憐れんでください」と叫び求めることなのです。