【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2019年8月11日説教要旨
聖書箇所 ルカによる福音書18章1節~8節
裁判官とやもめ
梅木 光男
本日の聖書の箇所は7月に続きルカ福音書の18章を取り上げました。ここでは裁判官とやもめのたとえが示されて、主イエスは常に祈り求めることの重要さをやもめの姿を通して語られています。神を恐れず人を人とも思わない不正な裁判官に必死になって問題解決してほしいと訴えるやもめ。聖書はこのやもめのプロフィールやどういう理由で裁判を起こさないといけないのか何も言及していません。やもめは経済的にも社会的にも不安定な状況にあり、誰も頼る人もいなかったと想像されます。最後に頼ったのは裁判所で、ここだけが正義を貫く場所であると堅く信じていたことでしょう。ところがその裁判の担当があの「不正な裁判官」であったのです。最初は熱く自分の正義を主張したにもかかわらず、ほとんど門前払いの状況だったと思います。当然ながら失望して、くじけそうになったかも知りません。しかし、やもめには他に選ぶ手段がなかったのです。どんなに相手にされなくても何度も繰り返し訴え続けた結果、その必死さ、ひたむきさがついにあの不正な裁判官の心を動かしたのです。その物言いが聖書には面白おかしく記されています。
すべての裁きは神を恐れることから始まります。裁きは神の目にかなうものでなければなりません。〈申命記1:17参照〉この世の正義よりも神の正義が行われますよう諦めずに祈り求めること大切さをこのたとえは教えています。