【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年6月20日説教要旨
テモテへの第二の手紙3章10~17節
聖書
京都洛西教会
山田光道
初めて教会の礼拝に参加された方にキリスト教の聖書をどのように説明すればよいでしょうか。私たち教会に集う者はよく、「み言葉をいただくとか、み言葉に従って生きていく」という言い方を自然にします。これは、み言葉とは神様が私たちに賜ったという賛辞と感謝を表したものだと思います。もちろん聖書は神ご自身が書かれたものではなく、人間の手になるものですが、日本バプテスト連盟の信仰宣言(1979年の第33回年次総会)において、「私たちの信仰宣言の中心はイエス・キリストであり、その基盤は聖書である。私たちは聖書が聖霊の導きによって書かれた、信仰の唯一の規範であると信じ、イエス・キリストにおいてご自身を掲示された神こそ父、子、聖霊として働かれる唯一の全知全能の神である。」と述べられています。このように、聖霊の導きによって神と人との関係の中で書かれたものであります。
この聖書ですが、旧約聖書と新約聖書から成り立っています。つまり、神と人との古い約束と新しい約束からなっているということです。
旧約聖書はもともとユダヤ民族の宗教であるユダヤ教の経典でした。キリスト教では、これら全体通して、ユダヤ民族の中に生まれ、神の独り子でありながら、人間として私達の世界に生まれたナザレのイエスが救い主(メシア・キリスト)であることを指し示すものだと受け止めています。
新約聖書は、弟子たちの各地に建てられた教会に宛てられた公の手紙、イエス・キリストの生涯と教えを記した福音書、イエスの死後、弟子たちによってキリスト教がヨーロッパ世界に広まっていく様子が記された使徒行伝、この世界の最後の神の審判と裁きの有様が預言的に描かれたヨハネの黙示録から成り立っています。
このように、キリスト教にとっては旧約、新約共にイエス・キリストを証言し、指し示すものとして正典として、二つを合わせて聖書としています。
さて、本日の聖書の箇所ですが、聖書の中で明確な聖書の定義がなされているところであります。使徒パウロは愛する弟子のテモテにこの手紙を通してどのようなことを語ろうとしているのでしょうか。