【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年12月26日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書6章25節~34節
思い煩うな
梅木 光男
いよいよ2021年も最後の礼拝となりました。この一年を振り返えるとコロナ下にあって閉塞感と混迷、不安の中でも神様の導きと恵みに溢れる年でもありました。本日の聖書箇所は有名な「山上の垂訓」の一つであり、主イエスが福音宣教の中心的な項目を取り上げて群衆や弟子たちに教えられた所です。特に最後の箇所は格言ともいうべき言葉です。
まず「空の鳥と野の花」を事例として人生において思い煩うことなしにすべてを神に委ねることの大切さを強調されています。我々が生きるうえでしばしば生じる思い煩いの中核をなす「衣食住」の基本的問題に触れられています。我々の日常生活において何か不足があったり、また生活基盤を脅かす諸問題(病気、貧困、人間関係等)が起きると不安や思い煩いが生じます。それは自然界だけではなく現実の社会でも「弱肉強食」の論理が働いているからです。我々が神から与えられた「命」はかけがえのない価値を持っており決して取るに足らない小さな存在ではなく、あの「空の鳥野の花」でさえ神様によって生かされていることに着目する必要があります。それはまさに「神の国と神の義」を求めることがキリスト者としての生活綱領というべき基本的姿勢を主イエスは示されています。神が神として正しく我々に振る舞って、すべて必要なものを備えて下さるという信頼関係に立ち返る必要があります。そこでは我々はただ「祈りつつ働きつつ信じる」生活に努めることの大切さが再認識させられます。その過程で我々はしばしば「苦労」を素直に受け入れられない時があります。今の自分と周囲にいる人々と比較して現実をなかなか受け入れられないところに思い煩いがあります。煩いは「患い病気」で決して健康な状態ではありません。聖書は神の恵みは等しく与えられていると示しており、それに気がつくかどうかが大きな差となります。恵みによって生きることの素晴らしさ、安心感、過去の後悔を捨て今日という現実を凝視し明日への希望へと導いてくれる主イエスに感謝しよう!来たるべき新しい年が皆様に恵みと祝福がありますように祈念致します。