【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2022年3月6日説教要旨
聖書箇所 ローマ8:35-39
キリスト教をキリスト教たらしめるもの
瀬戸 毅義
70を過ぎて漢詩を習いました。妻の協力を得て、足掛け5年余り博多駅の朝日カルチャーセンターまで通いました。講師は増岡康毅(光風)先生でした。ご高齢の増岡先生は初歩の私共にもわかりやすく教えてくださいました。漢詩を習って学んだことはいくつもあります。一つは基本が大切だということです(漢詩に限らず何事もそうですが)。同一種の韻を踏む(押韻といいます)ことが漢詩の絶対の要件です。平仄(ひょうそく)の規則も守らなければなりません。漢字だけでは漢詩にはならないのです。
キリスト教にも、それを欠けば真のキリスト教とはいえない基本があると思います。それは以下の五つです。この五つは内村鑑三から学びました。(『聖書之研究』18号、1902/明治35年2月)
- キリスト教はイエス・キリストによる教えです。
- キリスト教は聖書の上に立つ教えです。
- キリスト教は万国の人間は罪の下にあると明言する教えです。
ユダヤ人もギリシア人も皆、罪の下にあるのです。正しい者はいない。一人もいない(ローマ3:9,10)。
自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、真理はわたしたちの内にありません(ヨハネ第1 1:8)。 - キリスト教はキリストによる贖罪を教えます。
御子イエスの血によってあらゆる罪から清められます(ヨハネ第1 1:7)。
- キリスト教は肉体の復活を信じます。
キリストが復活しなかったのなら、わたしたちの宣教は無駄であるし、あなたがたの信仰も無駄です(コリント第1 15:14)。
以上の五つはキリスト教の狭量さ頑固さを示すもののようですが、致し方ありません。教えは教えです。聖書にも
「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない」(マタイ7:13-14)
とあります。
新説、珍説が麻の如く乱れる現代では、自分の足元を固めておく必要があります。信仰も危うくなります。
教会に道を求めてこられる人は真のキリスト教を知っていただきたいとこころから願います。
漢詩は少ない文字で直ちに感動をあらわすことができます。◎は押韻(おういん)です。○は平を、●は仄を示します。漢詩は旧字を使います。
猶太難民哀訴聲
急時査證有恩
徒祈無事着東土
博愛奇功尽是驚
猶太難民 哀訴の声
急時の査証に恩情有り
徒祈る 無事に東土に着くを
博愛 奇功 尽く是驚きなり
査証(ビザ)=(visa)旅券の裏書証明。ビザ。入国査証。
外交官、岐阜県出身。第二次大戦中、駐リトアニア領事代理として、亡命を求めるユダヤ人難民に日本通過ビザを発給したことで知られる。杉原はクリスチャンであった。