【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2022年11月20日説教要旨
聖書箇所 マルコによる福音書12章13-17節
神のものは神に
片山 寛
「カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」。これは単なる頓知のきいた言い逃れのようなものではありません。とても不思議な、そして奥の深い言葉だと思います。
いったい「神のもの」とは何でしょうか。そもそも神のものでないようなものは、この世には何ひとつないでしょう。だとすると、私たちは神さまに何かを返すということが可能なのでしょうか。すべてが神さまからの借り物です。いやむしろ、神さまはすべてを惜しみなく私たちに与えてくださる方です。
次のような笑い話があります。
「プロテスタントの牧師とカトリックの神父が友人になった。ある日、神父が牧師の教会を訪問すると、牧師はむずかしい顔をして、教会役員と一緒に予算の相談をしていた。神父は、「いったい何がそんなにむずかしいのかね」と尋ねた。牧師は、「神さまのための予算と人間のための予算を分けるのが難しいのだ」と答えた。
「なんだ、そんなことは簡単じゃないか」と神父は言った。「ぼくのところではいつも一瞬で終わるよ。」
「それはすごい。どうしてやるのかね。」
「うん、献金をね、ぜんぶ笊(ざる)の中に入れる」。
「ほほう。」
「それからお金を上に投げ上げる。落ちてこないのが神さまのぶん、落ちて来たのは人間のぶんだ。」