【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2024年1月21日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書8章5-13節
イエス、壁を越える人
片山 寛
人間としてのイエスの御生涯を思うと、それは人間が自分のまわりにめぐらした何重もの壁を打ち壊し、その人の心に語りかけることだったと思うのです。私たち人間はほんとうに壁が大好きで、自分の周りに壁をつくってやっと安心するというところがあります。壁、それは私たちの不安の現れであり、あらゆる不幸の原因であり、しかしある意味では私たちにとって必要なものでもあります。アダムとエヴァがまとったいちじくの葉から、民族差別にいたるまで、ありとあらゆる人間の「壁」。イエスはそれと戦いつづけた方です。聖書に次のような言葉があります。
壁を取り壊す
エフェソの信徒への手紙2章14-18節
14 実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、15 規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、16 十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。17 キリストはおいでになり、遠く離れているあなたがたにも、また、近くにいる人々にも、平和の福音を告げ知らせられました。18 それで、このキリストによってわたしたち両方の者が一つの霊に結ばれて、御父に近づくことができるのです。