2017年12月10日 聖書 ミカ書 5章1節~3節
『クリスマスの先触れ』 瀬戸毅義
ミカ書は旧約聖書十二小預言書の一つであり、著者のミカはミカヤ(「ヤーウェはどのようなお方か」の意)の短縮形である。イザヤより少し遅れて現れているが、活躍した時期は殆どイザヤと同時代である。イザヤが都会の預言者であるのに対し、彼は田舎の預言者である。預言の開始は北イスラエル王国の滅亡直前、前725~700年頃と思われる。
小村モレシェトに生まれた(ミカ1:1)ミカは、身分の低い者の側に立って社会にはびこる不正を責め(2:1,2、3:2,3)、利を貪る指導者や預言者を非難した(3:5-12)。ミカは1章~3章で堕落した指導者と頽廃した社会を責めているが、4章5章では将来の理想的社会と理想的指導者を期待しているのである。
5章1節には次の有名な聖句がある。「エフラタのベツレヘムよ、お前はユダの氏族の中でいと小さき者。お前の中から、わたしのために、イスラエルを治める者が出る。彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。」驚くべきことに、この言葉は、凡そ700年後にイエス・キリストの降誕となって実現したのです。
ニューヨークの国連本部の広場に、ミカの次の聖句が刻まれています(イザヤ書よりと書かれている。)
They shall beat their swords into plowshares, and their spears into pruning hooks: nation shall not lift up sword against nation, neither shall they learn war any more.
彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。
ミカ書4章3節(イザヤ書2章4節)
ミカは小国イスラエルが、周囲の大国との間で苦労しているのを見ながら、真の信仰に立って平和を待ち望んだ小さな田舎の預言者でした。彼の言葉は2700年後の今日にまで、全世界に大きな励ましを与えているのです。
上記の聖句のほか6章8節も不朽の言葉です。真の礼拝が何であるかを示しています。
「人よ、何が善であり、主が何をお前に求めておられるかは、お前に告げられている。正義を行い、慈しみを愛し、へりくだって神と共に歩むこと、これである。」