【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2019年10月27日説教要旨
聖書箇所 ヨナ書4章1節~11節
ニネベを惜しむ神
梅木 光男
ヨナ書は旧約聖書の12預言書の一つですが、預言書というより物語風の作品と言えます。たった4章しかありませんが、内容としては、ヨナが神様からニネベに「滅びの審判」を告げるために派遣されようとしますが、ヨナは遠くに逃げ出し、途中で暴風のため難破しそうになり海中に投げ込まれます。しかし大魚に飲み込まれ3日3晩過ごしたのち陸地に吐き出され、遂にニネベへ赴き神の裁きを語ったところ、何と王以下すべての民が悔い改めた為、神の怒りが止んだのです。これを不満に思ったヨナは小さな小屋に入り、ふてくされてしばらく様子見ることとしました。すると暑さに苦しむヨナを見て、神はとうごまを1日で生やし、そして1日で枯らさせました。この結果、この枯れてしまったとうごまを惜しむヨナに、神は「異邦人である12万のニネべの人々が、悔い改めたのにもかかわらず滅ぶのを惜しむ」のだと諭すのです。
ここでは神さまの思いとヨナの思いとが、まさに対照的に描かれています。ヨナは自分が苦労しないのに成長した1本のとうごまを惜しみ、神はその成長のために愛と力を傾けた多数の人間と動物を惜しまれたのです。
神がヨナに対して問いかけられた問題は、実は我々にも問われているのです。聖書は答えを記していませんが、それは我々自身が自分で答えを出す必要があります。神さまの愛と憐れみに我々はどう応えていくのかと。