【説教音声ファイル】
2021年1月31日説教要旨
聖書箇所 ピリピ人への手紙4章4節~20節
喜びなさい
梅木 光男
新型コロナの感染拡大に伴って、社会経済活動が大きな影響を受け、我々一人一人も見えない脅威におびえつつ不安と混沌のなかで生きることが余儀なくされています。
今までは当たり前であった日常生活がすべて根底から覆され、日々の営みや行動、発想などいわば社会システム全体が見直しを求められています。
本日の箇所はパウロがローマ皇帝の迫害の嵐を予感するなかで書いた、いわゆる「獄中書簡」の一つであるピリピ書から、こうした逆境の中でも喜びが満ち溢れているキリスト者の在り方を味わってみたいと思います。
ここでパウロは次の3つに言及しています。それは
- いつも喜んでいられるのは「主にあって」
- 寛容でいられるのは「主に近いから」
- 何も思い煩わないためには「感謝を持って捧げる祈りと願い」です。
つまりどんな状況や環境下にあっても、主イエスとの人格的な交わりを持ちさえすれば祈りと応答が確信となり、神への平安に導かれると述べています。また、現実の社会で生じる様々な問題に目を閉じて避けるのではなく、積極的に善なるものを追い求めかつそれを信仰への深みに達するように求められています。
ピリピ教会はパウロの福音宣教活動のための献金などの支援を行いました。それは単に物質的なものではなく、霊的なものであり、相互交わりの愛の賜物として、キリストへの従順と苦難の命に与るものと確信していることにその意義がありパウロに称賛されているのです。