【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2022年11月27日説教要約
聖書箇所 ゼカリヤ9:9~10
子ロバに乗った王が来る
宗広 一美
(直方バプテスト教会)
ゼカリヤ書9章1節からでは、託宣つまりは、神様の送られた<みことば>が始めに来ています。そして驚くべきことに、北から侵入して来た敵である異国の民がイスラエルのすべての民のようにご自分に属する民であると宣言されています。この預言者の伝えた<みことば>は、丁度同じ時期に歌われた詩篇87編の<みことば>を思い起こさせます。いわく“・・ラハブ(ここではエジプト)とバビロンをわたしを知る者のうちに挙げる。ペリシテ、ツロ、またエチオピアを見よ。・・主がもろもろの民を登録される時、「この者はかしこに生まれた」と記される。・・”(詩篇87編4~6)と言われています。これは、エルサレムが瓦礫の山、廃墟とかした時期に歌われました。それもまさにエルサレムを廃墟にした民をご自分の民として登録されると伝えているのです。
これらの神様から送られた<みことば>を前提として、今日の<みことば>が与えられています。
9節“シオンの娘よ、大いに喜べ、エルサレムの娘よ、呼ばわれ。見よ、あなたの王は、あなたの所に来る。彼は義なる者であって勝利を得、柔和であってロバに乗る。すなわちロバの子である子馬に乗る。”とあります。新約聖書の4つの福音書は、このゼカリヤ書の託宣、神様から送られた<みことば>をイエス様と見なしています。こう言われています。マタイ21章5節“・・「シオンの娘に告げよ、見よ、あなたの王がおいでになる。柔和なお方で、ロバに乗って、くびきを負うロバの子に乗って」。”とあります。そしてロバの子とは、平和の象徴です。これに対してこの世の王たちは、馬に乗って他国民の土地を奪い取りに来ます。馬は、武力、軍事力の象徴なのです。そして実際、北から侵入してきた他国の民は、エルサレムを崩壊させ、瓦礫の山、廃墟としてしまいました。
しかし、ここで重要なことは、敵である民を滅ぼしてイスラエルの民に平和を与えるとは、言われていないことです。むしろ、敵も味方もないすべての民に対して平和の象徴であるロバの子に乗って来られる王のこと語っているからです。