【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2023年2月26日説教要約
聖書箇所 ヘブル人への手紙4章14~16節
土台はすえられた
宗広 一美
2月22日の水曜日からレント(受難節あるいは復活前節)が始まりました。この日から今年は4月9日(日)のイースター(復活祭)へ向けての準備の期間が始まっています。今日は、そのレント(受難節あるいは復活前節)の第一回目の主日です。そして第6回目の主日の次の主日がイースター(復活祭)です。初日の2月22日の水曜日は、伝統的に灰の水曜日と言っています。これは、前年の棕櫚の主日(受難週の始まりの主日)に祝福された枝を燃やして出来た灰を額や頭につけ、回心のしるしとする日でした。灰は、古代から回心のしるしとされて来ました。初期のキリスト教も、この習慣を受け継ぎ、悔い改めを表すしるしとして額や頭に灰を付けるようになりました。それ故にレント(受難節あるいは復活前節)は、キリスト教徒にとって悔い改めの期間になっています。このことは、今朝与えられておりますヘブル人への手紙の<みことば>とも繋がって来ます。イエス様をキリスト(救い主)として受け入れた者が、<みことば>に聞き従いつつ、イエス様の十字架復活の恵みの御座へと導かれているからです。
ユダヤ教では、契約の箱の蓋の上にある二体のケルビムの間の神の玉座は、一年に一度だけ民の代表である大祭司のみが近づくことの許される償いの場所でした。しかし、この作者は言います。“しかしキリストがすでに現れ祝福の大祭司として、こられたとき、手で造られず、この世界に属さない、さらに大きく、完全な幕屋をとおり、かつ山羊と子牛との血によらず、ご自身の血によって、一度だけ聖所に入られ、それによって永遠のあがないを全うされたのである。”(ヘブル9:11,12)と。
それ故、今やイエス様の十字架復活の愛が、人の弱さの十字架に結びついて下さったのだから、神の恵みの御座への道は、すべての人に開かれました。すなわちイエス様の十字架復活の愛が、共にあるからです。そうであるなら、すでにわたしたちは、憐れみを受け、また恵みを受けています。だから作者は、はばかることなく、時機を得た助けを求めて恵み御座に近づくことを勧めています。そこに新たなる生まれ変わりの生を生きさせるイエス様の十字架復活の愛の約束の国があるからです。