まもなくイエスキリストの生誕を祝うクリスマスがやってきます。この生誕の経緯をルカ福音書では4つの賛歌で伝えています。
今日の箇所のシメオンの賛歌は①マリアの賛歌②ザカリアの賛歌③天の軍勢の賛歌の3つと比べると、あまり知られていないかもしれません。
「救い主と会うまでは死ぬことがないと聖霊に示されていたシメオンが、宮もうでのためにエレサレム神殿を訪れた幼子イエスを聖霊に導かれその腕に抱いたとき、メシアを待ち続けるイスラエルの代表としての喜びと満足、そして神からの使命?としての緊張からの解放感に浸ったことでしょう。
それは「神から救いが来なければ、人間は自分を救うことが出来ない」という真理を理解するのは、神から託されたシメオンしかいなかったのです。それは人生経験豊かで成熟した祈りの人だからです。しかも彼は幼子イエスを見て、神の救いだけでなく十字架の死までも予言したのです。本来長子を神に捧げる務めは祭司であるべきなのに、シメオンが担ったことに神の大いなる摂理を感じます。神の子イエスが将来福音宣教の業を開始されるときに、頑ななイスラエルの民との行く末が暗示されているような気がします。
クリスマスは単に救い主の生誕を祝うイベントではありません。イエスが私たちの罪の為に十字架にかかり、3日後蘇られたことも覚えて迎えたいと思います。
そして、復活の主イエスキリストが再びこの世に来られる日をシメオンのように祈りつつ待ち望みたいと思います。
皆様にとって良きクリスマスでありますように!
2014年12月14日説教要旨 梅木 光男