【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2021年6月27日説教要旨
エレミヤ書31章31節~34節
新しい契約
梅木 光男
今日の聖書箇所はエレミヤ書31章から有名な「新しい契約」について述べてみたいと思います。我々の日常生活において契約行為はいつもあることですが、その中味について関心を払っているでしょうか?
一般的な契約とは対人関係における相互利益のために約束する行為を意味しています。しかし聖書では神と人あるいは民族との関係における約束を言います。旧約時代はノアの契約から始まり、アブラハムとの契約、十戒を授与した際のイスラエルの民との契約が有名です。
しかしイスラエルの民は何度も神との契約を破り、背信行為や偶像崇拝に陥り、その結果としてエレサレム神殿の破壊やバビロン捕囚などを経験することになります。今まで絶対的なものとして存在した契約の主体であるイスラエルが崩壊しようとする時、捕囚を目前にして、預言者エレミヤは、やがて神がイスラエルの民と結ばれる新しい契約について預言します。
ここには神様の計り知れない忍耐と慈愛と憐れみがあることは言うまでもありません。預言者エレミヤによって語られる新しい契約は終末的預言の形をとっており、またそれは神様からの一方的な契約の締結であり、かつ歴史を超えた質的な新しさを持っています。過去何度もイスラエルの民は不信仰に陥りその都度神様は忍耐をもって色々な預言者をお遣わしになりました。しかしそれは限定的な効果を生じる事しかできませんでした。
そこで絶望的状況ともいえる時期に「石板に書かれた文字による律法という契約ではなく、彼らの心に書き記される新しい契約」を結ぶという主のみ告げをエレミヤは預言するのです。
この対比の意味を十分にかみしめましょう。やがて我々の罪の贖いと救いのために十字架にかかられ復活されるイエス・キリストは、聖霊としてキリスト者に内在して、心に書き記される新しい契約が実現することとなるのです。み言葉の絶対性と恵みを我々は知ることとなります。