【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2023年4月23日説教要約
聖書箇所 ルカによる福音書10:38~42
無くてならぬもの
宗広 一美
ルカによる福音書10章38節“一同が旅を続けているうちに、イエスがある村へ入られた。するとマルタという名の女がイエスを迎え入れた。”とあります。ここの話は、先立つ話の流れの中にあります。それは次のように言われているからです。
ルカによる福音書10章の1節から“・・主は別に72人を選び、行こうとしておられたすべての町や村へ、二人ずつ先におつかわしになった。”とあります。それ故に、既にマルタのいる村にも弟子たちが、先に遣わされていたと思われます。そして、イエス様が言われたように、そこにいる病人を癒し、「神の国はあなたがたに近づいた」と話していたと思われるのです。それからイエス様が弟子たちと共に、実際に来られたのが、今日のところでありましょう。
マルタは、おそらく先に遣わされた弟子たちの行いや話を見聞きしていたことでしょう。それ故に、マルタは、イエス様のことが知りたくて進んで迎え入れたように思われます。
ところがマルタは、喜んで迎え入れたはずのイエス様一向のおもてなしに思い煩わされてしまいます。そして自分の手伝いをしない妹にいら立ってしまいました。イエス様より先に遣わされた弟子たちは、迎え入れてくれる家に「平安があるように」と祈るようにイエス様に教えられていました。しかしイエス様ご自身がマルタの家に来られたのにマルタには、平安どころか、混乱といら立ちが見て取れます。一体これはどうしたことでしょう。イエス様は、どのようにしてマルタとマリヤに平安を与えられるのでしょうか。
41節“主は答えて言われた、「マルタよ、マルタよ、あなたは多くの事に心を配って思い煩っている。”とあります。ここでのイエス様の答えは、明確です。マルタの心の思い煩いを見通されていました。それ故にイエス様のお答えには、マルタの気持ちをよく理解しているというマルタへの共感があります。それを聞いたマルタの心は、慰めを覚えたに違いないでしょう。その上で、次のみ言葉が与えられます。すなわち「無くてならぬものは、一つだけである」です。
結論から言いますと、先立つイエス様の十字架復活の愛の戒め「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」の神の国をまず第一に求めることです。