【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2026年7月12日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書9章14~17節
新しいぶどう酒は新しい革袋へ
原田 寛
「新しい酒は新しい革袋へ」…ユダヤ教では、通常、断食は贖罪日に行っていた。ヨハネの弟子たちは、「(罪を)悔い改めよ、天の国は近づいた。」と勧めていたヨハネの教えに沿って、断食し罪から離れて到来する神の国に備えようとした。イエスの弟子たちは、断食をしていなかった。イエスご自身は、「大食漢」と言われるほど、集まってくる人々との食事を大切にしていた。ヨハネの弟子たちに対してイエスは、「花婿」と「婚礼の客」という言葉を用いて、たとえを語られ、今は断食しないが、「花婿」が取り去られる時行うと伝えた。
「古い革袋」はユダヤ教だと考えられている。そして、「新しい革袋」はイエスの福音である。この名言は、様々な時代に、何度も語られてきていると私は思う。たとえば、16世紀の宗教改革の時代である。当時のカトリックは財政上の問題を抱えていたと言われる。聖ピエトロ大聖堂の改修を行わなければならないが、その費用を用立てることができなかった。そのような中で贖宥状(免罪符)が売られるようになった。贖宥状を購入する者は、煉獄の霊魂の罪の償いができるということだった。多くの人が購入した。
宗教改革の先陣を切ったのは、「信仰によって義とされる」と御言葉に心を開いたルターだった。ルターは、1517年10月31日(宗教改革記念日と言われている)、95箇条の提題をローマに送り、改革の歩みが始まった。カトリックやカトリックを擁護する神聖ローマ帝国のカール大帝から命を狙われる中、新約聖書のドイツ語への翻訳を実行した。御言葉は多くの人々に開かれ、聴かれるようになった。開発されたグーテンベルクの印刷機により多くの人が聖書を手にすることになった。宗教改革の波は、社会を様々な争いを引き起こしていったが、同時に大航海時代を迎えていた。そして、カトリックも変わり、世界宣教へと舵が切られた。フランシスコ・ザビエルは、1541年4月7日、ポルトガル・リスボンをインド伝道のために船出した。そして、インドで導かれた日本人「やじろう」と共に1549年8月15日鹿児島市祇園之洲町に上陸し、9月には島津氏より宣教の許可を得て伝道を開始している。
「新しい酒は新しい革袋に」は、再び語られる時代を迎えているのではないか。聖書は携帯電話の中にある。説教はネットで聞く。若い人が心を開いているのは、AI?
新しい革袋は、イエスの福音であり、この救いの源泉は変わらない。
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