【聖書箇所朗読】
【説教音声ファイル】
2026年7月26日説教要旨
聖書箇所 マタイによる福音書9章20~22節
あなたの信仰があなたを救った
原田 寛
「12年間出血が続いている女性が主イエスに触れたときに、瞬時に癒された話」
12年間、病に苦しんでいるこの女性(以降「彼女」)は、慢性化した「子宮からの出血」と考えられている。
彼女の抱えている問題のひとつは、ユダヤ教で「汚れた者」とされ、神の前から遠ざけられるべき存在となっている。そして、「汚れた者」に触れたり触れられたりすると「汚れる」ということである。(レビ15章19-31)これでは、彼女は、人と人との交わりには、全く入ることが許されなかったこと考えられる。
次に、彼女の年齢であるが聖書には記されていない。おそらくは、女性として一番輝くお年頃ではなかったかと思う。彼女は、出血という病と闘う人生を余儀なくされていた。社会は、彼女との関係を閉ざした。彼女の心中は、どんなものだっただろうか。
彼女にとってイエス・キリストの登場は、イザヤが預言していた真の神がお遣わしになった方で「目の見えない人は見え、足の不自由な人は歩き、重い皮膚病の人は清くなり、耳の聞こえない人は聞こえ、死者は生き返り、貧しい人は福音を告げ知らされている」(マタイ11章5節)と示され、メシアとして心から期待できたのだ。
彼女は、メシアによって癒されることを望んだ。しかし、汚れた者として人中に入ることは許されていない。それで、自分自身のことが発覚しないようにしてイエスに後ろから近づいた。彼女の触れるものはすべて汚れる。イエスの周りでひしめき合う多くの人に、自分の存在が判ってしまうことは避けなければならない。そしてイエスに触れることは、許されない。しかし、真の神がそんな私のことを覚えておられるのなら、チャンスを得ている。そして、思い切ってイエスの服の裾に触れたのだった。そうしたら、癒された。病によって曇っていた心が嘘のように晴れていく。過ぎてきた時間の中で生きていて何の意味があるのだろうかと思っていたことが、明るい未来、新しい世界が訪れたように変わったのだった。
イエスは、自分に触れた者を捜した。彼女は自分のことを御子イエスの前で明かしたのだ。 イエスは、「娘よ、元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った」と言って下さった。
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